1│《ソヴィエト非公式芸術‘集団行為’のリサーチ》
2│《場所の発掘とその使い方》
2. Excavation of the place and its use
- 生熊源一│Ikuma Genichi
- 中島水緒│Mio Nakajima
- 高嶋晋一│Shinichi Takashima
都市化するにつれ、あらゆる場所は誰かに占領され、意味づけられていく。ミュージアムのような「公共」の場所もまた政治的、経済的に制度化され、意味づけられた場にすぎない。そうした制度的な意味づけから逃れた自由な空間ははたしてどこに見出せるだろうか。当企画では、東京という都市の辺境、末端に位置する奥多摩へ向かい、日光や風、あるいは雨のなか「芸術表現の場所」に関するリサーチ&カンファレンスを行う。
第1部では、ロシアの芸術コレクティブ「集団行為 Collective Actions」についての考察とディスカッションを行う。「集団行為」の研究をしている生熊源一氏をゲストに迎え、旧ソヴィエト政権下の都市郊外での非公式の芸術活動を取り上げ、都市と郊外、政治と芸術、作家と観客といった様々な距離を考察し、芸術表現の場所について議論したい。
第2部では、ゲストの方々と参加者と共に第1部でのリサーチ内容に加え、様々な特異な場所のあり方を写真などにより参照し、既存の事物をあらたな場所として発掘し直し、そしてそこでできることについてのブレインストーミングを行う。発案されたアイデアは6月より公開予定のWEBサイトに集積していく。
そしてこれらのリサーチやカンファレンスを簡易な展覧会として開催する。
日時
2023年4月8日(土)10:00~16:30
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場所
東京都西多摩郡奥多摩町
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スケジュール
- 10:00|集合|JR青梅線奥多摩駅
- 10:30|第1部|登計園地ふれあい広場(奥多摩駅より徒歩10分)
- 12:30|休憩|昼食は持参頂くか近隣の店舗を利用
- 13:30|第2部|河原(氷川渓谷。奥多摩駅より徒歩5分)
*雨天時は屋根のある場所に移動して開催
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参加費
無料
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予約方法
お名前とメールアドレスを記入の上、「anartuser@gmail.com」までご連絡下さい。前日までに参加方法をご連絡します。
[第1部ゲスト]
生熊源一|Ikuma Genichi
1990年東京都生まれ。日本学術振興会特別研究員PD(早稲田大学)。北海道大学大学院文学研究科修了。専門はモスクワ・コンセプチュアリズムを中心とするロシア現代美術史。主な論文に「地上の宇宙飛行士:モナストゥイルスキーにおける天地の問題系」(日本ロシア文学会『ロシア語ロシア文学研究』第52号)などがある。
[第2部ゲスト]
6月より開催の『新たな場所の使い方(仮)』に参加予定のゲストの方々
中島水緒|Mio Nakajima
1979年東京都生まれ。美術批評。主なテキストに「鏡の国のモランディ――1950年代以降の作品を「反転」の操作から読む」(『引込線 2017』、引込線実行委員会、2017)、「前衛・政治・身体――未来派とイタリア・ファシズムのスポーツ戦略」(『政治の展覧会:世界大戦と前衛芸術』、EOS ART BOOKS、2020)、「無為を表象する――セーヌ川からジョルジュ・スーラへ流れる絵画の(非)政治学」(『美術手帖』2022年7月号)など。
高嶋晋一|Shinichi Takashima
1978年東京都生まれ。美術作家。ダンサー・振付家の神村恵とのユニット「前後」でパフォーマンス作品を、写真家・映像作家の中川周とのユニット「高嶋晋一+中川周」でヴィデオ作品を制作/発表している。前後名義での近年の上演に《やってみるとはどういうことか》(「Sound Around 002」、ロームシアター京都、2022)、《眺めるを振り付ける》(「Whenever Wherever Festival 2021 Mapping Aroundness――〈らへん〉の地図」、スパイラルホール、東京、2021)など。高嶋晋一+中川周名義での個展に「αMプロジェクト2022「判断の尺度」vol.5 無視できる」(gallery αM、東京、2023)、「経験不問」(Sprout Curation、東京、2022)など。
主催|ジェネラル・ミュージアム、アート・ユーザー・カンファレンス
助成|公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京