Hole

Site:長良川河畔|岐阜県
Generator:グループ〈位〉
Date:1965

1965年、神戸在住の作家たちが「非人称」の視点から世界や存在を認識することを理念としてグループ〈位〉を結成。当初のメンバーは、井上治幸、奥田善巳、河口龍夫、武内博州、豊原康雄、中田誠、向井孟、村上雅美、良田務の9名。「位」というグループ名は、単位、位置、位相といった言葉にかけて名付けられた。当時隆盛を極めていた具体美術協会の個性礼讃とは対照的に、グループ位では作品は作者の個性の表現であるという近代的芸術観への批判的意識が共有された。その活動の核となったのは、「複数の中の私達一人一人が単位」という考えから個人や物体を等価なものとみなす「非人称」の思想である。この思想を実践すべく、メンバーは個人を無化して全員の意志をひとつに結集させた集団制作、パフォーマンスなどを積極的に行った。たとえば、65年の「アンデパンダン・アート・フェスティバル」では、灼熱の太陽のもとメンバー全員で長良川河畔に巨大な穴を掘り、同年の「非人称展」ではメンバー全員で考案した同一内容の抽象絵画を制作者名のキャプションを入れ替えて展示し、67年の「神戸カー二バル」では全身を布で覆い隠した「非人称人間」としてパレードに参加した。「非人称」の思想は次第に物質を離れて概念芸術に接近し、74年には構想に6年かけたエッセイ集『存在』の刊行によって言語による表現へと結実した。グループは2000年代以降も活動を続けており、2004年には兵庫県立美術館の小企画展にて参加型作品を発表した。集団で活動した前衛美術のグループとして、1970年代に活躍したJAPAN KOBE ZEROや鳥取のスペース・プランの先駆と評されることがある。