地面と物の間

Between the ground and the object
  • Intension
    地面にものが置かれたことで生じる薄い空間
  • Extension
    石の下、倒木の下、カーペットの下、家屋の下

道路脇や庭、森に転がっている石や倒木を持ち上げると、周囲とは異なる空間が現れる。ダンゴムシや蜥蜴といった生物が潜んでいることも多い。それは地面に設置された別の空間へと繋がる扉のようだ。

こういったパーテションの形式は何かを隠したり、探したりするのに適している。忘れていた紛失物もいつの日か、シートやカーペットの裏から埃とともに発見できるだろう。


展覧会

旅先で街路を廻りギャラリーを探す。本のページをめくり絵を探す。インターネットであってもスクロールし画像を探す過程が伴う。こういった手探りの感触や遅延の過程こそが掲示や展示を経験する土台を形成するように、この形式は、(隠し事や宝探しはもちろん)展覧会の形式として最も推奨されるものだろう。宝物が宝となる秘密は、そのもの自体にではなく、この形式との関係にこそ隠されている。洞窟の壁画、遺跡、オルタナティブスペース、ミュージアムといったものには、少なからずこの形式が潜んでいる。

時に周囲の藪蚊や斜面のぬかるみが展示空間を形成し、置かれた瓦礫は重いほどよく、朽ちた倒木は汚れているほど良い。


参考
・森林の中の瓦礫の下の展示
・森林の中の朽ちた板の下の展示