Site

下水道

Sewer
  • Intension
    使用後の水を流す水路、汚水の流れ
  • Extension
    公共下水道、下水処理場

下水道(げすいどう)は、主に都市部の雨水(うすい)および汚水(おすい)を、地下水路などで集めた後に公共用水域へ排出するための施設・設備の集合体。多くは浄化などの水処理を行う。

雨水としては、気象学における降水および、いったん降り積さもったが気温の上昇などで融けた融雪水も含むが、いずれも路面など地表にあるものが対象で、河川水地下水となったものは除く。

汚水としては、水洗式便所からの屎尿、家庭における調理・洗濯・風呂等で生じる生活排水、商店やホテル・町工場から大工場にいたる事業場からの産業排水(耕作は除く)などがある。

Example

逃走路としての下水道

Site:地下
Generator:施工者、排水システム、水

ビクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』において、警察に追われる身となった主人公ジャン・バルジャンは恋人のマリウス青年を背負ってパリ市街の下水道に逃げ込む。またアンジェイ・ワイダ監督による映画「地下水道」では、ドイツ占領下のワルシャワで武装蜂起を起こしたレジスタンスの兵士たちが地下水道をつたって脱出を試みる。ユーゴー曰く、「下水道は都市の本心である。すべてがそこに集中し互いに面を合わせる。その青ざめたる場所には、暗闇はあるが、もはや秘密は存しない。事物は各、その真の形体を保っている。もしくは少なくともその最後の形体を保っている。不潔の堆積なるがゆえに、その長所として決して他を欺かない。率直がそこに逃げ込んでいるのである」「下水道は一つの皮肉屋である。それはすべてのことをしゃべる」。フィクションにおける舞台装置としての下水道は、そこが都市機能が輩出した汚物を引き受ける地下空間であると同時に、地上にあまねく広がる監視の目を逃れるための逃走経路にもなりうるという可能性を示す。