《堆積する切り粉》

八王子市中野上町でのジェネラル・ミュージアム ❹:八王子市中野上町2丁目27-13

小沢鉄工場の裏手には鉄の切削クズが堆積している。ドリルによる螺旋状の切り粉は加工によって生産される「穴」の実体であり、削られた鉄粉はかつて物の「輪郭線」を構成していた物質である。ここには、「穴」や「線」といった形式的な観念が質量を持って堆積している。切り粉の螺旋の求心運動は未分化な土色の塊へと落下していく。それは観念の物質性を表現する反形式的彫刻となっている。
その塊からは植物の若木が伸び、葉を広げている。それは植物と葉緑体が媒介する鉄の還元と酸化の過程を象徴しているのだろうか。あるいはそれは、光合成で分離した酸素が海水中の鉄を酸化させ、海底に堆積させていく鉄鉱石誕生の景色かもしれない。