《メタセコイア化石林》

八王子市中野上町でのジェネラル・ミュージアム ❽:八王子市泉町1905-33

新大陸が発見された時、世界は大きく変わった。しかし新大陸は発見前からずっと存在していて、世界は何も変わらなかった。かつての人気恐竜ブロントサウルスは分類の見直しによって姿を消したが、それは絶滅したのではなく、昔からいなかったことになった。歴史には奇妙なねじれが存在し、発見によって過去は変わるにもかかわらず、過去はその都度、最初から変わらずにそうであったものとして立ち現れる。
八王子市役所近くの浅川河岸には大昔のメタセコイアの化石林が露出している。かつてはセコイアに分類されていた化石群が異なる種であることが分かり、メタセコイアと名づけられた。その後、絶滅して化石としてのみ知られていたメタセコイアが中国の湖北省の山間部で生きていたことが発見される。日本ではメタセコイアが生きていたことを誰も知らなかった。一方で湖北省の村では風景の一部として存在しているこの「水杉」が絶滅していたことを誰も知らなかった。生きていた「水杉」と死んでいた「メタセコイア」はひとつの存在へ収束し、「生きた化石」が発見された。