ここには過去の地面が展示されている。以前は古墳時代の痕跡の上に竪穴式住居が再現されていたが、今は老朽化により解体され、その跡が残された。つまりそこには、復元住居が解体された2重の痕跡が重なっている。復元とは、過去を現在に呼び戻す行為であり、復元された場所は現在であると同時に過去の場所となる。そして記録とは、未来において過去を呼び出す行為となる。記録されることで過去は未来に再び現れるための場所を持つことになる。中田遺跡では縄文時代から平安時代までの住居跡が193棟発見されている。その住居群の上へ重ねて都営中野山王三丁目アパートが建てられた。高層団地は地層に沈む過去と対をなすように空へと積み重ねられている。団地とは、耕す土地から切り離され、都市にやってきた「大衆」のための空中の地層だ。その均質で平等な住居は過去にそこに存在したかもしれない原始共産制を呼び出そうとしている。