《亜鉛メッキのシャッター》

八王子市中野上町でのジェネラル・ミュージアム❸:八王子市中野上町2丁目18-3

久保田鉄鋼の巨大なシャッターは巨大なアクロマティック〔無色〕絵画を形成している。酸化によってくすんでいく亜鉛メッキの表面は光をはね返す金属光沢を失い、太陽光を熱に変えている。それは観念的なシステムとしての色ではなく、現実のエネルギーとしての色を明示するタブローだ。そこに明暗のリズムを加えているリブは支持体と表面を一体化させている。
シャッターの向こうでは鉄やアルミを強大な油圧で圧縮する作業が行われている。1トンの鉄を圧縮するたびにおよそ12キロカロリーの熱が発生する。太陽は水素を圧縮し、毎秒約9×10の25乗カロリーの核融合エネルギーを発生させる。しかし亜鉛の元素を合成するためには太陽の8倍以上の質量を持つ超新星の爆発が必要となる。つまり地球にある亜鉛は、太陽の誕生以前に失われた超新星の破片だ。シャッターの表面では超新星の破片と太陽から発せられた光子の衝突が絶え間なく生じている。